日本の復習をつまみ食い。現代人がおさえておきたい古典の内容
こんにちは。カラクリジャパンライターのメドウです。
空気が冷え、カレンダーの枚数がわずかになってきました。
受験生のみなさんは追い込みの時期に入りましたね。
「受験なんて何年前の話だろう」と言う大人のみなさんにお尋ねします。
日本の三大随筆の内容、どれくらいご存知でしょうか?
「作品の名前は知っているけれど…」という方も多そうですね。
今回は日本の三大随筆作品について、内容をさらっとご紹介します。
日本三大随筆
枕草子
引用:https://pixabay.com/ja/%E6%97%A5%E6%B2%A1-%E9%A2%A8%E6%99%AF-%E6%97%A5%E3%81%AE%E5%87%BA-%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%89-%E5%A4%AA%E9%99%BD-%E5%85%89-%E5%9C%B0%E5%B9%B3%E7%B7%9A-%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC-%E5%B1%8B%E5%A4%96-20398/
枕草子は平安時代の半ばに、清少納言によって書かれた随筆です。
随筆とは、実際に起こった出来事について、見聞きしたことや思ったことを自由に表現した文学作品のこと。
日記や物語とはちがい、オチがあるわけではありません。
枕草子にはおよそ300の文章が掲載されています。
文章は長いもの、短いものさまざまなのですが、内容は次のとおりです。
1. 自然や人間など、周囲を観察して思った好き・嫌い
2. 一条天皇の中宮定子につかえる女房という仕事を通して体験したこと
なかでも有名な文章は、枕草子の冒頭、「春はあけぼの」で始まる文章です。
国語の時間に教科書で習った記憶がある人も多いのではないでしょうか?
「春は、夜明けがぼんやりと明けていく様子がいい」という内容で始まり、 夏、秋、冬の描写と続きます。
四季の様子を300文字ほどで言いつくしているすごさのため、評価されているのかもしれません。
徒然草
引用:https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%92%E7%84%B6%E8%8D%89
徒然草は吉田兼好によって書かれた随筆です。
全部で243の文章が載っています。
作者の吉田兼好は歌人で古典学者、書道にも優れているなど、多才な人物。
その才能を反映してか、徒然草の内容はバラエティに富んでいます。
人生論、友情論、笑いがこぼれる失敗談、人間や政治についての辛めの批評、のちのちまで名言として残る警告、歴史上の人物についてのエピソードなど。
徒然草は吉田兼好が社会とは距離を置いた隠居の立ち位置で書かれているので、ところどころに、退屈さやさみしさ、気の晴れない様子も伝わってきます。
吉田兼好は仁和寺のある双が丘(ならびがおか)で徒然草を書いていたため、仁和寺に関する内容が多いのも特徴です。
「仁和寺にある法師」で始まる書き出しの文章は、学校で習った記憶がある人もいるでしょう。他の内容は全然知らないという人でも、歳を重ねた今だからこそ読んでみて、共感できる作品かもしれません。
方丈記
引用:https://www.nijl.ac.jp/pages/event/exhibition/2012/houjyouki.html
方丈記は鴨長明(かものちょうめい)が書いた鎌倉時代の随筆です。
建暦2年(1212年)に成立し、以後800年以上名作として評価されています。
方丈記の内容は鴨長明の自分史とも言えるものです。
前半は、鴨長明が若い頃に体験した大火、竜巻、遷都、飢饉、大地震の記録。
災害と世の中の混乱を書いた表現はとてもリアル。
災害が起きたとき、人口が密集している地域がいかにもろかったか。
一般大衆に寄り添わない政治がどのようにされたか。
災害の後、年月とともに、記憶が忘れされていくこと、など。
東日本大震災を取り上げるとき、多くのメディアが方丈記を引用しました。
優れた表現で出来事を斬る鴨長明ですが、自分については言葉少なです。
隠居生活を始めたきっかけも、「不運が重なり、居場所がなかった」とだけ。
作品からは、
社会のわずらわしさから離れたいと願うひきこもり願望と、
どこか成功をあきらめきれずに揺れ動く気持ち。
どこにでもいる普通の人の素顔が見え隠れします。
物事を見つめ、悩む姿は、現代の私たちにも通じるものがあります。
いかがでしたか?
学校の勉強で読まされた、よくわからない文章が身近に感じられましたよね。
今回紹介した作品は、すらすら読める現代語訳が出ています。
ぜひお時間あるときに読んでみてくださいね。