雨月物語は日本でいちばん怖い怪談集。そのなかで最も怖い話は?
こんにちは。カラクリジャパンライターのメドウです。
冬が近づくにつれて、日が沈むのが早くなりましたね。
みなさんは夜の長い時間をどんな風にお過ごしですか?
私は読書にハマっています。
大人になってから「もっと勉強しておけば良かった!」と思ったこと、一度はありませんか?
私も、カラクリジャパンで紹介されている日本の伝統文化の記事を影響を受けて、本を読み始めました。
読んでいるのは日本の古典文学なのですが、現代語で書かれている本が多くて、しかもおもしろい!
そこで、今回は、最近私が読んだなかでいちばんインパクトの強かった「雨月物語」について、わかりやすくご紹介していきます!
雨月物語は日本が誇る怪談集
引用:https://www.nijl.ac.jp/pages/articles/200902/
雨月物語(うげつものがたり)は、上田秋成に江戸時代後期に書かれた読本(よみほん)、今で言う短編小説集です。
九つの怪談が収録されています。
明和五年(1768年)には完成してと伝えられており、何度かの推敲ののち、安永五年(1776年)に刊行されました。
「雨月物語」というタイトルの由来は、「雨があがって月が朦朧としている晩に書いた」 と書かれた序文からきています。
今回は、九つの怪談のうち、最も怖いと言われている「吉備津の釜」のあらすじをご紹介します。
雨月物語でいちばん怖い話「吉備津の釜」
引用:http://kibitujinja.com/about/narukama.html
吉備国賀夜郡庭妹(現在の岡山市北区庭瀬付近)に、井沢正太夫という、祖父の代までは赤松氏に仕えた武士であった豪農がいた。
正太夫の長男・正太郎は家業が大嫌い。
おまけに色欲が強く、父が止めるのも聞かず、激しく遊び歩いているような男だった。
両親は、正太郎をまっとうな人間にするために、吉備津神社の神官の娘・磯良とのあいだに縁談をまとめた。
神社では、結婚の前に恒例となっている鳴釜の神事を執り行なった。
すると釜はほんの虫の音ほどの小さな音しかならない。
鳴釜の神事は釜を使って物事の吉兆を占うもの。
小さな音は、二人の結婚が「凶」であることを意味していた。
しかし、息子に所帯を持たせ、さっさと身を固めて欲しい正太郎の両親と、娘を早く嫁に出したい磯良の両親は「たまたま釜の調子が悪かっただけ」と都合よく解釈し、結婚を進めてしまう。
しばらくは仲睦まじい結婚生活が続いたが、浮気性の正太郎は遊女の袖に夢中に。
そのことが正太夫に知られてしまい、正太郎は座敷牢に閉じ込められる。
正太郎は「改心する」と磯良にウソをつき座敷牢を出るが、磯良のお金を持ち逃げ。
だまされたショックから磯良は病に倒れ、亡くなってしまう。
正太郎は袖を連れ、よその土地に住みついたが、袖は病死してしまう。
さびしくなった正太郎が袖の墓参りに行くと、隣の新しい墓に若い娘が参っていた。
若い娘から「主人を亡くした未亡人に頼まれて墓参りをしている」と聞いた正太郎は、未亡人に興味を持ち、娘の案内で未亡人宅へ向かう。
わびしい藁葺きの小屋のなか、屏風の奥に座っていた未亡人に正太郎が話しかけると、振り返った女性は故郷に捨ててきた磯良だった。
磯良の「恨みがどんなものか教えてあげましょう」という言葉に、正太郎は気を失う。
目を覚ますと、正太郎は暗い墓地の念仏堂にいた。
急いで家に逃げ帰った正太郎は戸を閉め、祈祷師を頼み、護符を出入り口のすべてに貼ってもらった。
祈祷師は正太郎に「四十二日が過ぎれば家から出られる」と告げる。
夜になり、〇時をすぎると、家の外からは入り口をうかがい、動き回る音。
そして、「ええい!憎らしい!護符なんか貼りおって!」と叫ぶ大声。
夜毎にその声は激しさを増し、四十二日の最後の夜。
白々と夜が明け始める頃、隣人の男の声が聞こえてきた。
「よく我慢をされました。もう大丈夫。元気なお顔が見たいので、戸を開けてください」
正太郎が安心して戸を開け始めた瞬間、悲鳴がして、それからは物音ひとつ聞こえてこなくなった。
隣人の男は不審に思い、斧を持ち外へ出て見たが、まだ夜で空には細い月が浮かんでいる。
おそるおそる正太郎の家に入ってみると、大量の血が入り口に流れていた。
けれども、家は空で、身体の一部でさえ残されていなかったのだ。
いかがだったでしょうか?
最近では日本のホラー映画も相当怖いものが増えましたね。
雨月物語は実際に映画化もされていて、まさに日本のホラーの元祖と言えるお話なんです。
ホラー好きの方は読んでみてはいかがでしょうか?