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【職人巡り旅】音の響きと木の美しさにこだわるオルゴール作家永井淳さん

 

こんにちは。カラクリジャパンライターの梅グミです。

 

誰もが一度は聴いたことがあるオルゴール。そのオルゴールを「楽器」としてとらえ、深い音を生み出している作家が永井淳さんです。

 

これまで私たちが聴いていたオルゴールとはまるでちがう、永井さんのオルゴール。

 

 

この音色の秘密を探りに、巡り人こまのさん、永井さんの元を訪ねました。

 

美しい音のオルゴール。箱の中には伝統技術が詰められている

 

DSC01122

 

オルゴールにはさまざまな種類があります。

 

永井さんが製造しているのは、櫛歯と呼ばれる細かい金属の板が弾かれ、音が出るタイプのオルゴールです。

 

櫛歯の弾かれ方にもいろいろあります。

 

丸い筒に細かい突起がたくさん付けられ、櫛歯と呼ばれる細い金属の板が弾かれて音の出るシリンダーオルゴール。

私たちの身近にあるオルゴールです。

 

永井さん
スイスで発明されました

 

 

円盤にピンと呼ばれる細かい突起が付けられているディスクオルゴール。

 

ディスクオルゴール2

 

永井さん
ドイツで発明されました

 

紙に開けられた穴を弾いて音の出るカードオルゴール

 

DSC01142

 

永井さん
日本で発明されました。 この3つのなかで最も歴史が浅いオルゴールです

 

オルゴールの響きが美しいのは、木の箱が音を共鳴させているから

 

こういった箱もすべて永井さんがてがけたもの

 

オルゴールの音が美しく響くかどうかは、箱にかかっています。

 

櫛歯が弾かれて出る音は振動で伝わり、私たちの耳に届くのですが、箱に入れることでさらに響きが豊かになります。

 

オルゴールで重要な役割を果たしている箱の部分を、永井さんは作っているのです。

 

こまのさん
オルゴールはどんな材料でつくっているんですか?
永井さん
材質は木。

ガラスやプラスチックだと、聴いたときにいやな感じがしちゃう

こまのさん
いちばん良く響く木はなんですか?
永井さん
西洋の木ではメープル、かえでですよね。 東洋の木ならは紫檀(したん)

 

紫檀は、2000年前から中国で楽器に使われている木です。

日本では三味線などに紫檀が使われているのだとか。

 

永井さんが生み出す楽器オルゴール。制作には江戸指物の技術が!

 

いちばんうえがオルゴール本体下みっつは音を反響させるための箱(すべて永井さんによる

 

永井さんはオルゴールについて、こんな考えを持っていらっしゃいます。

 

永井さん
オルゴールはおもちゃではなく楽器。

楽器は音量と低音の響き、演奏の3要素が大切

 

永井さんはオルゴールを製作する以前から、クラッシク音楽を聴くことが好きで、音楽に関する知識も持っていました。

 

オルゴールを製作するにあたり、楽器と同じように響かせるために、ピアノやバイオリンの構造を研究。

江戸指物の技術にいきつきました。

 

オルゴールの音は木の繊維を伝って響きます。

短い木の繊維よりも長い木の繊維を使うことで、音の響きがさらに良くなるのです。

木の繊維は釘や接着剤を使うと、切れてしまいます。

そこで、釘や接着剤を使わずに箱物などをつくる江戸指物の技術が必要になりました。

 

永井さんは江戸指物の伝統工芸士に師事し、技術を習得していました。

 

永井さん
木の繊維を切らないよう、一体化させます

 

オルゴールの製作は、まず木を乾燥させることから始めます。

加工したあとの変形を少なくするためには、乾かすことが重要です。

 

永井さん
乾燥してる方がいい響きになる

 

乾燥した木を加工してオルゴールの箱にしていくのですが、永井さんは彫刻を施したりはしません。

木の色や木目の美しさを活かすためでもありますが、飾りをつけることもまた、音の響きを悪くする原因になるからです。

 

同じ理由で、膜が形成されてします接着剤や一般的なニスも使いません。

塗装には、バイオリンでも使用される天然樹脂のセラックニスを使っています。

セラックニスのなかでも、無色透明の食用セラックニスで塗装し、木目の美しさをそこなわないことにこだわっています。

 

永井さん
日本の伝統技術で、音の響きがひとつになっていきます

 

オルゴールを作りはじめたきっかけは、ティッシュボックスだった!

 

DSC01158

 

こまのさん
オルゴールをつくるようになったきっかけはなんですか?
永井さん
本業は設計の仕事なので、江戸指物は趣味ではじめた

 

屋久杉でつくったティッシュボックスを義弟にプレゼントしたことをきっかけに、義弟が勤めるオルゴールメーカーから声がかかり、オルゴールの箱をつくることになりました。

 

永井さんはオルゴールや楽器の専門書で勉強。

70種類以上の木を試し、完成した箱をメーカーに届けたところ、その場にいた技術者全員が驚いたそう。

 

それから、永井さんはメーカーのコンサルタントを務め、オルゴールの箱を開発してきました。

 

本業で参加した国際家具見本市でもオルゴールを演奏したところ、新聞記者の目にとまり、以後、雑誌やTVでも紹介されるように。

 

現在は、コンサートの依頼や伝統工芸展への出展と、オルゴールの素晴らしさを伝える活動をされています。

 

こまのさん
オルゴールをつくって、うれしかったことはなんですか?
永井さん
大きなホールで演奏したときに、多くのお客さんがいたこと

 

永井さんのオルゴール、美しい音の響きを感じてみてはいかがでしょうか?

 

EMI-MUSICBOX

至宝の音響 永井式 音響オルゴール 匠 -TAKUMI-

 

 

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