目次
【職人巡り旅】手仕事で日本の伝統と粋を守る着物仕立て栗原敏夫さん
こんにちは。カラクリジャパンライターの梅グミです。
「着物仕立て」という言葉を聞いたときに、みなさんはどんなことを想像するでしょうか?
およそ36cm幅の長い布から、1領(洋服でいうところの1着)の着物を作り上げていく。
それが「着物仕立て」の仕事です。
今回は、着物仕立てを仕事にしている栗原敏夫さんの元を、巡り人こまのさんが訪ねました。
「ものづくりが好きな子」と大叔母にすすめられ、着物仕立ての道へ
だから服装には興味があった
引用:https://www.amazon.co.jp/%E3%83%A9%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%BC%E7%89%A7%E5%A0%B4-DVD-%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%BC/dp/B003BEALE2
ララミー牧場は1959年から1963年まで、アメリカのテレビで放送された西部劇です。
日本でも1961年に最高視聴率43.7%を記録するほどの人気ぶりでした。
親が着物を仕立てていたわけではなかった栗原さん。
何も知らずに沼津の学校へ行ってしまいました。
学校に行ってから「あ、これからこんなこと勉強していくの???」と思ったそう。
学校で1年学んだと、新宿伊勢丹で勉強したそう。
着物の仕立てはどんなことをするの?資格がないと仕事はできない?
通常、着物はつくってからお店に置いてもらい、お客様に買ってもらうというルートをたどります。
けれども、栗原さんたち着物仕立ての職人は、すべて注文を受けてから着物をつくるのです。
1 地直し
アイロンで生地を詰まらせたり、縮ませたりして、縦糸と横糸のバランスを整える作業をします。
2 柄裁ち(がらだち)
仕立て上げたときに柄が映えるよう、模様の向きや組合せ、色使いなどを見ながら裁断します。
同じ柄の布であっても、裁ち方ひとつで体型をカバーしたり、スタイルを活かしたりできます。
着る人をより魅力的に見せることができるため、仕立てる人の技術とセンスが問われます。
3 裁断
布地をはさみで裁っていく、最も緊張する工程です。
裁断は、仕立てる着物によって、手順やはさみの使い方が変わってきます。
4 ヘラつけ
裁断した生地の輪郭をたどり、ヘラで印を付けていきます。
正確に縫い合わせるため、袖や身ごろ、衽(おくみ)、衿、胴裏、八掛といったパーツにヘラで印を入れます。
美しい仕上がりにつながるため、正確さが要求される工程です。
5 縫製
袖などのパーツを身ごろにつけていきます。
たくさんの工程がありますね。
何通りかの縫い方を使い分けながら、4cmほどの短い針で縫っていきます。
昔は既製品の着物がなかったので、全部寸法を測ってつくるフルオーダーメイドが一般的でした。
そのため、4日くらい寝ずに仕事をしていたこともあったのだとか。
着物の仕立てを仕事にするには、資格が必要?
着物の仕立てに関連する資格は以下の3つがあります。
・ 東京商工会議所主催の「和裁検定」
・ 厚生労働省が実施する「和裁技能士検定」
・ 日本和裁士会が認定する「和裁士」
着物仕立てのプロが教える日本の和装文化の良いところ
「裄」は、肩から袖口までを指します。
時代劇などに見られる侍の、袖をひきずる丈が、伝統的に粋な寸法とされています。
歌舞伎柄は写真のような歌舞伎の役や、役者にちなんだ柄全般を指します。
着物は寸法をしっかり測って仕立てているのですが、その人の体型に合った着付けができるので、誰でもある程度着こなせます。
おばあさんの代の古い着物でも、孫に合わせて仕立て直せば、今風に着ることができます。
自分用に今まで見たことのない着物をつくってみたい
栗原さんは杉並区で着物をリサイクルさせる活動をされています。
着なくなった着物や売れなかった着物を仕立て直したり、のれんにしたりする活動をしているそうです。
今後、やってみたいことは他にもいっぱいあるそうですが、なかでも印象的だったのがこのひとことでした。
着てみたい
栗原さんのふだんの服装は「かるさん」というもんぺをはかれているそう。
他にも、女物の着物を男物に直して着るなど、和装を楽しんでいるとのことでした。