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【職人巡り旅】「かわいい」とだっこしたくなる人形の作家藤本英以さん

 

こんにちは。カラクリジャパンライターの梅グミです。

 

体のパーツごとに彫られ、足の関節を折り曲げることのできる三つ折人形。

 

見る人を和ませる子どもの表情と、立たせたり座らせたり動かせる体は、江戸時代からの伝統技法によるものです。

 

三つ折人形をつくることのできる数少ない作家のひとり、藤本英以さんは、さまざまな人形や、絵画、書道、篆刻まで手がける希有な存在。

 

そんな藤本さんのアトリエに巡りびと・こまのさんがお邪魔しました。

 

木彫りでつくる、三つ折人形(みつおれにんぎょう)

 

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こまのさん
三つ折人形(みつおれにんぎょう)とは何ですか?
藤本さん
3つに折れる人形

 

足の付け根、ひざ、足首の3か所を折り曲げることができます。

 

藤本さん
人形のパーツはすべて木彫りで、金属は一切使わない

 

金属を使わずに、なぜパーツを組み合わせることができるか?

不思議に思いますが、その秘密は三つ折人形の制作者にしか教えられないそうです。

 

作ることができるのは2人だけ!? 三つ折人形の制作工程

 

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三つ折人形に使用する木材は桐です。頭からつま先まで、ひとつの桐材を使います。

 

藤本さん
桐は、暖かいところで採れたもの、節が多いものではだめ

 

藤本さんがこの日持っていた人形には、会津産の桐が使われていました。

 

藤本さん
桐材をパーツで掘り、胡粉を何度も塗り重ね、つなげる

 

制作工程はシンプルなのですが、立つ、正座、お座りの3つの姿勢すべてで人形が倒れないようにするためには、勘や慣れが必要だと言います。

 

藤本さん
綿密に計算して作ったとしても、完成後、3つの姿勢で立たせるバランスには調節できない

 

人形づくりの中でもっとも難しく、最高級品であるとされる三つ折人形。

シンプルでありながら、姿勢を保つバランスが難しいため、1年に1体くらいしか作れないのです。

 

こまのさん
三つ折人形を広めるための活動はされていますか?
藤本さん
人形の教室を開いている。 でも、三つ折を作ることのできる人間は自分と弟子の2人だけじゃないだろうか。

弟子はもう40年くらい通ってる

 

 

医療費の代わりに、作った人形を買ってもらった経験も!

 

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こまのさん
どんな人形を作っていらっしゃいますか?
藤本さん
三つ折人形をはじめ、ぬいぐるみやフランス人形など

 

人形の種類も幅広いのですが、人形制作も木彫胡粉、木彫彩色、銅粉を塗って仕上げたものと、様々な技法を手がけています。

 

こまのさん
てっきり、木彫り人形の作家さんだと思ってました
藤本さん
元々は画家になりたかった。

栄養失調で倒れたとき、病院に払うお金がなくて、 人形を作って買い取ってもらい、支払った

 

人形を作り始めた頃はカッパのぬいぐるみを、次にフランス人形を作るようになったのだとか。

 

こまのさん
人形作家になったきっかけは他にもありますか?
藤本さん
九州生まれで作家になりたかったけど、

男が作家になんかなるなという風習があった

 

仕事にできるのは職人か商売人だったと言います。

 

藤本さん
職人よりも作家になりたかった。

0から1を作り出す。 アイデアからスタートする作業の方がおもしろいから

 

 

必要なことを自分でできるようになれば、作家の幅は広がる

 

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藤本さんの自宅兼アトリエには人形はもちろん、日本画、南画、洋画、書道、篆刻と幅広いジャンルの作品が、飾られています。

こまのさん
書道もされるんですね
藤本さん
師匠が「人形は最後箱にいれてお届けする。その箱に書く文字も自分でかけなきゃだめだ」というので始めた。いまでは書道の教室も開いている
藤本さん
書道をやるならその書に押す落款も必要になっちゃって。じゃあ、仕方ないから篆刻もやるかーって、勉強した

 

「必要なら自分でできるようになっちゃえ」がポリシーの藤本さん。

ふだん使っている杖も自身で作られたもの。

庭のぶどうの木が枯れたときに削り、底に皮を張って杖に仕立てたのだとか。

 

0から1を生み出し、思い描く完成形に必要なことはなんでも勉強してきた藤本さんだからこそ、三つ折人形の技を受け継げたのかもしれませんね。

 

「精魂こめてつくる」。このこだわりが人形に温もりを与えている

 

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藤本さん
人形はひとのかたちしてる。

カタチだけ人形さんにしたって、 だっこしたときに温かみを感じない

藤本さん
だから心を込めて、魂こめてじゃないとつくれない

 

人形を見て「かわいいな」と思うのは、その人形に作家の心がこもっているから感じられるものだと、藤本さんは考えています。

 

 

 

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