目次
伝統的な和傘には日本ならではの魅力がたっぷり!和傘の構造や種類は?
こんにちは、カラクリジャパンライターのユキガオです!
皆さんは普段、どんな傘をお使いでしょうか?
現在日本に普及しているのは「洋傘(ようがさ)」と呼ばれるもので、金属製の骨組みにナイロンや綿、ポリエステルといった素材からできています。
そんな洋傘に対し、日本で昔から作られてきたのが「和傘(わがさ)」です。
今回は、普段使うことのあまりない和傘について調べてみました!
和傘とは?
和傘は、主に竹を骨組みに使っています。そこに貼られているのは、油を染み込ませた和紙。
和紙については、以前カラクリジャパンでもこのような記事でご紹介しましたね。
>>無形文化遺産の手すき和紙の魅力を紹介!どんな種類がある?
>>重要無形文化遺産・本美濃紙(ほんみのし)とはどんなもの?その魅力をご紹介
和傘は雨傘としても使われるのですが、油を染み込ませているため和紙でも十分雨をはじくことができます。
日本に傘が伝わったのは、平安時代頃に中国からだと言われています。
伝わった当時の傘は、天蓋(てんがい)と呼ばれる開閉できない構造のもの。折りたためるようになったのは室町〜安土桃山時代なんだそうです。
和傘が広く民衆に使われるようになったのは江戸時代の中期以降。それまでは蓑(みの)などで雨をしのいでいました。
江戸時代の美人画には、様々な柄の和傘が描かれていますが、当時からすでにファッションの一部としてとらえられていました。
現在では洋傘を使う人が多く、和傘を使うのは京都の舞妓さんや芸妓さんくらい。または料亭や和風のインテリアとして使用されることもあるようです。
和傘の種類は「番傘」と「蛇の目傘」
そんな和傘には、大きく分けて3つの種類があります。それぞれの特徴についてお伝えしますね。
①番傘
スタンダードな和傘で、がっしりした骨太な作りであることが特徴。
シンプルで丈夫なこと、また重さもあることから、主に男性に好まれて使われます。
屋号や家紋などを書いたり番号を振って持ち主がわかるようにしたことから、番傘という名前がついたと言われています。
②蛇の目傘
蛇の目とは、ヘビの目のような同心円の模様のことを指します。
番傘に比べて細身に作られていて、女性でも気軽に使えるようなタイプです。
和紙の柄や色も様々で、内側に飾りが施されていることもあるなど、オシャレな傘であることが特徴です。
③日傘
番傘と蛇の目傘は雨のときに使える傘でしたが、日傘は防水加工がなされていないため濡らすことはできません。
そのぶん、和紙本来の美しさや柄を楽しむことができ、軽いのも特徴。
日本舞踊などで舞傘としても使われています。
和傘を使うときの注意点
和傘を雨で使う場合、油を染み込ませてあるため濡らしても問題ありません。
ただし紙であることと、油を染み込ませていることから、どうしても劣化は避けられません。紙がパリパリになってしまったら寿命なんだとか。
また、使用後の和傘を布などで拭くと、和紙が痛んでしまうのでやめましょう。
濡れた場合は、しっかりと水気を切ったあと、傘を開いて日陰干しして乾かします。乾いたら緩めに閉じて保管しておくと長持ちするそうです。
きちんと手入れをして保管すれば、数年〜十年程度持つくらいに丈夫なものです。
もし和傘をお使いの場合は、購入した傘屋さんなどにお手入れ方法などを確認して、大事に扱いましょう。
和傘にしかない魅力を楽しもう
和紙は光を通すため、外でさしていると太陽の光が透けてとても美しいものです。油を引いているとはいえ、和傘も同様。
日本人らしい奥ゆかしさや美的センスに溢れた和傘は、最近でも興味を持って使う若い人がいるんだとか。
洋傘のように気軽に買えて簡単に扱うことのできるようなものではありませんが、和傘には和傘にしかない味わいがあります。
また、伝統工芸品として鑑賞するという楽しみ方もあります。
もし興味があれば、ぜひ一本手に取ってみてはいかがでしょうか?きっと雨の日も楽しくなると思いますよ!